ビタミンDのあれこれ~それ本当に変えていい?~

製薬工場の影響で現在供給不足が起こっているビタミンD製剤。

骨粗鬆症学会と骨代謝学会が昨今のエルデカルシトールとアルファカルシドールの不足を受けて下記の内容を発表しました。

http://www.josteo.com/ja/news/doc/210719_1.pdf より引用

現在、上市されている薬剤のなかでよく使用される代表的な薬剤は

エディロールカプセル、アルファカルシドール錠(カプセル)、デノタスチュアブル錠の3種類があげられます。

では質問です。

エルデカルシトールがないならアルファカルシドールに変更してもいいですか?

そんな疑問を解決する手助けができるような内容を今回書きましたのでぜひ読んでみてください。

ビタミンDが必要な理由

ビタミン Dの骨粗鬆症に対する効果

こんなことを思ったことはないでしょうか。

そもそもビタミンDはなぜ必要なの?

カルシウムを経口摂取するだけで骨粗鬆症薬による低カルシウムは防げるのでは?

私は最初に薬剤師になったときに思いました。

一般的に骨粗鬆症患者は骨密度を増やすためには1日700~800mgのCaの摂取が必要と言われています。

しかし、日本人の平均摂取量は約514mg(厚生労働省:平成29年国民健康・栄養調査より引用)

のため1日約200~300mgのCaが不足している状況です。

高齢になると食が細くなったりするため実際の摂取量はもっと少ないかも・・・

骨の石灰化に必要な材料はCa、P、ビタミンK、ビタミンDが必要であったり、

Caを1日500mg以上摂取した場合、心筋梗塞のリスクを上昇させるとの研究結果もあったりとするため

「必要量がわかっているなら、それに合わせてCaをとればいいじゃん!!!」

ということができないのが骨粗鬆症治療の難しいところなのです。

ビタミンD製剤の主な作用は

  • 骨での骨代謝の調節と石灰化
  • 腸管でのCa吸収増加
  • 腎でのCa再吸収促進
  • 副甲状腺に作用してPTH分泌抑制

他にも

骨芽細胞刺激による骨形成促進なども報告されています。

簡単な活性化までの代謝経路と効果について1枚にまとめたため是非知識の整理にご活用ください。

ビタミンD の摂取量(サプリメント)

もし、エルデカルシトール、アルファカルシドール問題が長期化された場合サプリメントのビタミンDに頼らなければならない時が来るかもしれません。

目安の投与量は1日ビタミンD摂取量10~20μg(400-800IU)が推奨されています。

Pilz S. et al. Rationale and Plan for Vitamin D Food Fortification: A Review and Guidance Paper. Front. Endocrinol., 17 July 2018 | https://doi.org/10.3389/fendo.2018.00373より引用

薬ではないため飲みすぎる可能性もあり、高Caの症状や高用量の服用は転倒はリスク因子であることを伝えるなどの適切な服用を促すことも薬剤師の仕事の一つとして必要となってきます。

一応μgとIUの換算式も記載しておきます。ご活用ください。

換算式 μg=IU×0.025 または IU=μg×40

薬剤の特性

薬剤をしょうがなく変更する際に覚えておきたいことは

  • Caの上昇率は エルデカルシトール>アルファカルシドール>ビタミンD 
  • エルデカルシトールは骨密度上昇作用が高い
  • エルデカルシトールは破骨細胞機能低下作用が強い

もしビタミンD製剤が変更または新規開始になったら

骨粗鬆症治療においてCa値はただ正常値に保てばいいという問題ではありません。

骨密度増加に必要なCa濃度は9.3mg / dL以上と言われています。

(Kinoshita M et al Modern Rheumatol 2018より引用)

そのため薬剤師としては行うべきは検査値がある場合はCa値が正常範囲内であるかということに加えて9.3mg / dLより下になっていないかということもできればより良い骨粗鬆症治療ができると思います。

また、副作用の面では

随時尿で尿中Ca/尿中Cr>0.3が続いていないか、あるいは尿中Ca/尿中Cr≧0.4になっていないかの確認が必要です。

そこまで詳しく検査ができないところも多いと思います。

私の場合、Crは測定していることは多いので、Crが上昇していないかなどを確認しています。

また、薬剤変更の際は腎障害、肝機能障害患者に注意しましょう。

図のようにエルデカルシトールは肝臓・腎臓ともに代謝されませんがアルファカルシドールは肝臓、天然型ビタミンDは肝臓・腎臓の両方の代謝を受けなければなりません。

そもそも効果の期待できない薬剤を服用させないことも薬剤師のできる業務の1つではないでしょうか。

まとめ

RCTのみにおけるメタ解析において、天然型ビタミンDの投与群は未治療、またはプラセボ郡に比し有意な転倒防止効果を示さなかった。(Bolland MJ et al.lancet diabetes Endcrinol 6:847-58.2018 より引用)

などまだまだ伝えたいことはたくさんありますが主に伝えたかったことは上記の内容になります。

高齢者では、ビタミンDの活性化に必要な臓器の機能低下によって骨密度低下することが骨粗鬆症の原因の1つなので代謝の必要としないエルデカルシトールが高齢者には特に重宝されます。

ですが、今はいろいろなことが重なり、宝石並みに貴重になりつつあるます。

さまざまな薬、サプリメントを駆使しながら乗り切りましょう。

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