2021年5月18日の記者会見で河野太郎規制改革相が新型コロナワクチンのワクチン接種の打ち手不足を解消するために薬剤師の活用を検討すると表明しました。
現在、歯科医師によるワクチンの接種を条件付きで容認されており、それでも不足が解消されなければいよいよ薬剤師の出番が回ってきます。
今まで患者に湿布を貼ることさえ許されなかった薬剤師が筋肉注射をするという事態を対応するために今から筋肉注射について勉強していきましょう。
最後に勉強するにあたりおすすめのYouTubeのリンクもつけてあります。
目次
筋肉注射を学ぼう
筋肉注射はどこに打つの?
肩峰からおろした線と両脇を結ぶ線の交点が注射部位になります。
これを聞いてあれ?と思った人もいると思います!
少し前の注射部位は肩峰から三横指下と言われていました。
実際に私も勤めているところも当初は肩峰から三横指下で話が進んでいました。
ですが、現在は肩峰からおろした線と両脇を結ぶ線の交点を注射部位としています。
主な理由としては
- 三角筋滑液包障害(S I R V A)
- 脇窩神経を損傷
- 橈骨神経を損傷
上記3つが挙げられます。
ほとんどの薬剤師は「????」となっているでしょう。
滑液包?神経?
6年制の大学も習ってないと思います。
三角筋滑液包障害
滑液包とは
関節周囲にある袋で滑液を含むことで関節の動きを滑らかにします。
肩峰から3cm以内の接種がリスクになります。
その場所にワクチン接種を行うと痛み、熱感を伴う滑液包炎を起こします。
脇窩神経を損傷
脇窩神経(えきかしんけい)は
上腕部に走行する末梢神経で、上肢の背側を走行し、上腕部で停止しています。
肩峰から4-9cm下での接種がリスクになります。
神経のため4-9cmの範囲内全てあるわけではなく
その範囲にあるということです。
三角筋に注射する際の手順と注意すべきところは?
実際の手順は
- 本人確認
- 実際の薬剤と書類に記載されている薬剤が同じか確認
- 患者にアルコールによるアレルギーの確認
- 手指消毒
- 手袋の装着
- 穿刺部位の決定
- 皮膚を摘み穿刺部位の皮膚を伸展させる
- 注射針の刃面を上にして穿刺
- 薬液を注入する
- 抜針してアルコール綿で抑える
上記10点が主な注射方法です
注意点
- 注射の刺入角度を45〜90度にする
- 刃面を上にする
- 逆血の確認しない
- 揉まない
上記の4点が薬剤師が注意する点です。
筋肉注射と聞くと逆血の確認が必要!と思う人もいると思いますが
三角筋中央部には太い血管がないため逆血の確認は必要ありません
おすすめYouTube
今回の説明ではまだまだ説明が足りません!
最後に1度は目を通すべきYouTubeを紹介します。
本格的に薬剤師が注射する際にはぜひ自分の目で確認をして下さい。
厚生労働省
「厚生労働省」が作られた動画です。
この動画は歯科医師が歯科医師向けに作られた動画です。
そのため解剖学に自信のない薬剤師でもわかるように骨や神経や滑液包などの説明もされています。
日本プライマリ・ケア連合学会
「日本プライマリ・ケア連合学会」が作られた動画です。
筋肉注射の新しい注射方法(肩峰からおろした線と脇の同士を結ぶ線の交点)の理由を詳しく説明しています。
なぜその手技にをするのか筋肉注射による合併症(S I R V A)なども含めて説明しています。